システムエンジニアとプログラマーの違いとは?目指すうえでのポイント、働く方法も解説
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- システムエンジニアとプログラマーの概要を紹介!
- システムエンジニアとは
- プログラマーとは
- システムエンジニアとプログラマーの違い4選
- 業務の範囲
- 平均年収
- スキル
- キャリアパス
- システムエンジニアやプログラマーを目指す際に知っておきたいポイント
- IT業界の将来性は高い
- 自身の適性を見極める
- 未経験でシステムエンジニアやプログラマーになる方法
- IT系の資格を取得する
- 専門学校でスキル・知識を習得する
- まとめ
IT業界で働くうえで、システムエンジニアとプログラマーのどちらが自分に向いているのか判断に迷う方は多いでしょう。両者は混同されがちな職種ですが、業務範囲や平均年収などさまざまな面で違いがあります。
そこで本記事では、システムエンジニアとプログラマーの概要や違い、それぞれを目指すうえで知っておきたいポイントなどを解説します。将来性の高いIT業界で自分に合った道を見つけるために、ぜひ記事の内容を参考にしてください。
システムエンジニアとプログラマーの概要を紹介!
まずは、システムエンジニアとプログラマーの概要について紹介します。
システムエンジニアとは
システムエンジニアは、システム開発の上流工程である要件定義や、基本設計などの重要な仕事をおもに担う職種です。
要件定義では、クライアントの要望をヒアリングし、自社で実現可能なシステム開発との擦り合わせを行ないながら、具体的な要件を整理していきます。
このフェーズでは、クライアントが求めるものを正確に汲み取らなければなりません。そのため、コミュニケーション能力やクライアントのビジネスモデルへの理解力が求められるでしょう。
要件定義が完了したら、次は基本設計や詳細設計です。基本設計では、ハードウェアやソフトウェアの選定、システムの構成などを計画し、詳細設計ではそれらを踏まえて、システムの各機能などを具体的に定義します。
システムエンジニアは、これらの工程を通じてシステムの全体像を把握し、開発の方針を決定します。
ただし、プロジェクトによってシステムエンジニアに求められる役割が異なる場合も珍しくありません。プロジェクト内の一部の工程だけを任されることもあるなど、ケースバイケースです。
プログラマーとは
プログラマーは、システム開発の下流工程であるプログラミングを担当する職種です。詳細設計に基づいて、プログラミング言語を使用してコーディング(プログラミングコードを記述すること)を行ない、システムに必要な機能を実装していきます。
ただしプログラマーの仕事は、コーディングだけではありません。プログラムを作る際に発生するバグやエラー修正の対応も、重要な仕事です。
小規模なプロジェクトでは、システムエンジニアとプログラマーの役割が重なる場合もあり、プログラマーが要件定義から携わることもあります。
システムエンジニアとプログラマーの違い4選
システムエンジニアとプログラマーの違いについて、おもなポイント4点を紹介します。
業務の範囲
先述のとおり、システムエンジニアとプログラマーは、システム開発において異なる業務範囲を担当します。
システムエンジニアはおもに上流工程に携わり、クライアントのニーズを要件定義としてまとめ、基本設計や詳細設計に落とし込むことがメインの業務です。
上流工程でクライアントの目的と計画にズレが生じると、プロジェクト全体の成否にダイレクトに影響を与えます。そのため、システムエンジニアはクライアントの課題や要望を正確に理解することが求められるでしょう。
一方、プログラマーはおもに下流工程に従事し、JavaやPHPなどのプログラミング言語を駆使してコーディングを行ないます。
詳細設計に基づいてシステムの実装を担当するほか、単体テストや結合テスト、その際に発見される不具合の修正なども担当業務です。ただし、企業規模によっては、システムエンジニアがプログラミングまで行なう場合もあります。
平均年収
厚生労働省の「令和4年賃金構造基本統計調査」によれば、システムエンジニアとプログラマーをそれぞれ含む職種の平均年収は以下のとおりです。
※参考:厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査」
※算出方法:きまって支給する現金給与額×12ヵ月+年間賞与その他特別給与額
両者の平均年収の差は約110万円で、システムエンジニアのほうが高年収の傾向にあります。
この年収の差は、業務範囲や職務による責任の違いが影響しています。システムエンジニアは上流工程でクライアントとの折衝や設計に携わるため、プロジェクト全体の成果に直結する職種といえるでしょう。
一方、プログラマーの業務は下流工程の実装やテストが中心であり、その責任範囲が相対的に狭いことが年収に影響していると考えられます。
スキル
システムエンジニアに必要なスキルには、ドキュメント作成スキルやコミュニケーション能力、マネジメント能力が挙げられます。
上流工程では要件定義書や設計書などを作成する機会が多く、必要な情報を明確にまとめるドキュメント作成スキルは重要です。
また、クライアントとの円滑なコミュニケーションも不可欠であり、的確に要望をヒアリングしたうえで、適切に提案することが求められます。
さらに、プロジェクトの進捗管理も重要な任務で、場合によってはクライアントや他部署とのスケジュール調整まで行なわなければなりません。
一方、プログラマーにとって重要なのは、プログラミングスキルやデバッグ(バグ修正)スキルです。
詳細設計に記載された機能をプログラミングで実現する能力や、不具合が生じた際に原因調査と修正を行なうデバッグスキルは、プログラマーの役割上必須といえるでしょう。対応できるプログラミング言語が多いほど、そのプログラマーの市場価値は高まります。
その他、高い学習意欲や協調性、ミスのない作業を継続できる集中力なども必要です。
キャリアパス
システムエンジニアとプログラマーでは、キャリアパスの点でも違いが見られます。
システムエンジニアは上流工程に携わるため、キャリアパスの選択肢が幅広いのが特徴です。
マネジメント系に進む場合の一例として、プロジェクトの管理・運営を担う「プロジェクトリーダー」があります。また、プロジェクト全体をまとめる「プロジェクトマネージャー」もキャリアアップの選択肢として挙げられるでしょう。
その他、高度なスキルを身に付けることで、クライアントの課題解決に向けたシステムの企画・立案を行なう「ITアーキテクト」の道が開ける可能性もあります。
一方、プログラマーのキャリアパスの代表格はシステムエンジニアです。プログラミングのスペシャリストとしての道もあり、高度なスキルを磨くことで「エキスパートプログラマー」として活躍できる可能性もあります。
システムエンジニアやプログラマーを目指す際に知っておきたいポイント
次に、システムエンジニアやプログラマーを目指すうえで知っておきたいポイントを解説します。
IT業界の将来性は高い
IT業界は現在、人材不足の傾向にあり、将来性が高い分野といえます。システムエンジニアの場合は、IT企業の規模を問わず、高度なスキルを持つ人材が常に求められている傾向にあります。
特に、AIやビッグデータなどの先端技術に関する知識やスキルを身に付ければ、エンジニアとしての市場価値を高めやすいでしょう。
プログラマーについても従来のプログラミングスキルに加え、最新の技術に関するスキルを持つことがポイントです。IT業界は常に進化しており、新たな技術やプログラミング言語が登場することも多いため、常に学習意欲を持ち続けることが求められます。
いずれにしても、IT人材として活躍するチャンスをつかむためには、時流に適応し、新たな知識やスキルを身に付けることが大切でしょう。
自身の適性を見極める
システムエンジニアやプログラマーのどちらに向いているのか、自身の適性を見極めることで、将来のキャリアパスを選択する際にも自信を持てるでしょう。
システムエンジニアに向いているのは、コミュニケーションが苦にならないタイプの人です。システムエンジニアは人とかかわる機会が多い職種で、クライアントやチームメンバーとの円滑なコミュニケーションが求められます。
加えて、日々進歩するIT技術を学ぶ学習意欲も必要です。常に新しい知識を吸収し、技術の進化に対応しようとする力が求められるでしょう。
一方、プログラマーに向いているのは、ものづくりに対する興味や関心が高く、効率的なプログラムを構築する論理的な思考力を持っているタイプの人です。また、プロジェクトの多くはチーム単位で進めるため、協調性も必要となります。
未経験でシステムエンジニアやプログラマーになる方法
IT業界未経験の方がシステムエンジニアやプログラマーを目指す方法を2つ紹介します。
IT系の資格を取得する
システムエンジニアやプログラマーになるために、特定の資格は必須ではありませんが、IT系の資格を取得していれば、一定のスキル証明に役立つでしょう。
システムエンジニア向けの代表的な資格試験には「応用情報技術者試験」や「システムアーキテクト試験」などがあります。
応用情報技術者試験は、ITを活用したシステムの企画から開発、運用まで幅広い知識を問う試験です。システムエンジニアとしての応用的な知識や技術を証明できる資格として知られています。
応用情報技術者試験を取得したあとは、システムアーキテクトのような上位資格に挑戦するなど、より高度なスキルの証明を目指すとよいでしょう。
プログラマーを目指すのであれば「ITパスポート試験」や「基本情報技術者試験」などの国家試験をベースにするのがおすすめです。
これらの資格は、IT業界で働く人のための登竜門のような存在であり、基本的なITの知識や開発に必要な基礎知識を有していることを証明できます。特に未経験者にとっては、プログラミングの基本を学ぶ良いステップです。
専門学校でスキル・知識を習得する
プログラミングスキルは独学で身に付けることも可能ですが、未経験者には難易度が高いかもしれません。しかしIT企業への就職を目指すのであれば、体系的なスキルを身に付けておく必要があり、現状は適した教材が少ないという問題もあります。
そのため、本格的にプログラミングスキルを身に付けたい場合は、専門学校で学ぶことがおすすめです。例えば、読売理工医療福祉専門学校のITエンジニア学科では、2年間のカリキュラムを通して、ITエンジニアとして必要なスキルを体系的に習得できます。
授業では「プログラミング」、「モバイルプログラミング」、「Webアプリケーション」など、実践的なスキルを中心に幅広く学べるのが特徴です。
「ITパスポート」の資格取得をベースとしつつ、希望進路に合わせてほかの資格取得もサポートしています。
就職対策講座をはじめ、IT業界への就職を目指すうえでのバックアップ体制も整っており、未経験者でも安心してシステムエンジニアやプログラマーを目指せるでしょう。
まとめ
システムエンジニアとプログラマーは、どちらもIT関連の開発における必須の人材ですが、それぞれの役割は異なります。システムエンジニアは、コミュニケーション能力をはじめとした幅広いスキルをもとに、プロジェクトに横断的にかかわる職種です。
一方、プログラマーは高いプログラミングスキルや論理的思考が必要な職種で、実装やテストのプロフェッショナルとしての立場が求められます。自身の適性を見極めて、適切なスキルを学び、IT業界で活躍するための一歩を踏み出しましょう。
読売理工医療福祉専門学校ITエンジニア学科では、実践的なスキルを体系的に学べるため、IT業界未経験者にもおすすめです。IT業界でのキャリアを築く準備を整えたい方は、ぜひ一度お問い合わせください。