介護福祉士になるには?国家資格の取得ルートと最短での取得方法
投稿日:
更新日:
- 介護福祉士とは
- 介護福祉士になるには国家資格が必要
- 実務経験ルート
- 養成施設ルート
- 福祉系高等学校ルート
- 介護福祉士国家試験の概要
- 試験日
- 試験地
- 受験手数料
- 受験申込書の提出期間
- 試験内容
- 合格発表
- 介護福祉士の資格取得する際のポイント
- 国家資格を取得するための各ルートをよく調べておく
- 資格取得をゴールにしない
- 関連資格の取得も同時に検討する
- 最短で介護福祉士になるには専門学校がおすすめ
- 介護福祉士の国家資格取得に関するポイント
- 介護福祉士の働き方をイメージする
- 学習モチベーションを維持する方法を考える
- 国家資格の取得後も勉強の習慣はつけておく
- 学んだ知識・技術を実践で活かすことを想定する
- 関連する資格の勉強なども視野に入れる
- おすすめの国家資格試験への対策
- 十分な勉強時間を確保しておく
- 学校の勉強と合わせて独学での学習も進める
- 専門学校などの学習環境を最大限利用する
- 適度なストレス発散・リラックスも重要
- まとめ
- 読売理工医療福祉専門学校の医療系学科
介護福祉士は、国家資格を必要とする職業です。ただし、国家試験には受験資格が必要なため、誰でもすぐに受験できるというわけではありません。
そこでこの記事では、介護福祉士になるために試験の受験資格を得るまでの3つのルートについて紹介します。併せて、資格の詳細についても解説しますので、介護福祉士に興味のある方はぜひ参考にしてください。
介護福祉士とは
介護福祉士になるには、介護福祉士の国家資格を取得する必要があります。国家試験に合格すれば取得できますが、試験を受けるためには受験資格の取得が必須です。そのため、誰でも受験できるわけではありません。
なお、受験資格を得るルートには、おもに次の3つがあります。
実務経験ルート
実務経験ルートでは、介護施設で働きながら受験資格を取得できます。介護福祉士の資格の取得方法としては、最もスタンダードなルートといえるでしょう。
実務経験ルートで国家試験の受験資格を得るためには「実務経験3年以上+実務者研修(EPA介護福祉士候補者以外の方)」、もしくは「実務経験3年以上+介護職員基礎研修+喀痰吸引等研修」が必要です。そのため、受験まで最短でも3年はかかります。
上記のとおり、実務経験に加え、実務者研修や介護職員基礎研修・喀痰吸引等研修の修了も必須です。そのため、これらの研修の講座やスクールに通わなければならないでしょう。
養成施設ルート
養成施設ルートは、実務経験を積むのではなく養成施設に通い、基礎となる知識・技術を学びながら受験資格を得るルートです。
福祉系大学・社会福祉士養成施設・保育士養成施設などを卒業している方は、介護福祉士養成施設に1年以上通えば受験資格が得られます。上記以外にも、高等学校を卒業した方や高等学校卒業程度認定試験などに合格している方は、介護福祉士養成施設に2年以上通うと受験資格の取得が可能です。
介護福祉士養成施設とは、厚生労働大臣によって指定された学校を指し、4年制大学・短期大学・専門学校などが該当します。
福祉系高等学校ルート
福祉系高等学校ルートは、福祉系特例高等学校や福祉系高等学校などを卒業している方が対象です。
福祉系特例高等学校などを卒業した場合は、実務経験を9ヵ月以上積むことで、受験資格を得られます。また、介護技術講習を受けた場合には、実技試験が免除になります。
福祉系高等学校などの場合は、厚生労働大臣が定める科目や単位数を修めて卒業すると受験資格を得られます。ただし、入学年度によって国家資格取得の条件が、次のように異なるので注意してください。
<平成20年度以前に福祉系高等学校などに入学した場合>筆記試験と実技試験の両方で合格すれば、国家資格を取得できます。なお、介護技術講習を修了している方は、実技試験が免除されます。
<平成21年度以降に福祉系高等学校などに入学した場合>筆記試験に合格すれば国家資格の取得が可能です。最初から実技試験は免除されているため、介護技術講習の受講は必要ありません。
介護福祉士国家試験の概要
ここからは、介護福祉士の国家試験の概要を解説します。
試験日
筆記試験は、以下34の試験地で実施されます。
北海道、青森県、岩手県、宮城県、秋田県、福島県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、石川県、岐阜県、静岡県、愛知県、京都府、大阪府、兵庫県、和歌山県、鳥取県、島根県、岡山県、広島県、香川県、愛媛県、高知県、福岡県、長崎県、熊本県、宮崎県、大分県、鹿児島県、沖縄県
ただし、実技試験の試験地は、東京都と大阪府の2ヵ所のみです。
受験手数料
国家試験の受験手数料は、1万8,380円です。
※第34回(令和3年度)から変更となっています。
※合格後、登録手続きを行なう際、受験手数料に加え、登録免許税9,000円、登録手数料3,320円がかかります。
受験申込書の提出期間
受験申込書の提出期間は、受験する前年の8月から約1ヵ月間です。ただし、日程は毎年変わるため、詳細は試験要項などをよく確認してください。
また、受験申込書を提出するには、事前に「受験の手引」を取り寄せる必要があります。
試験内容
介護福祉士国家試験の筆記試験は、おもに次のような内容が出題されます。
- ・人間の尊厳と自立
- ・人間関係とコミュニケーション
- ・社会の理解
- ・介護の基本
- ・コミュニケーション技術
- ・生活支援技術
- ・介護過程
- ・発達と老化の理解
- ・認知症の理解
- ・障害の理解
- ・こころとからだのしくみ
- ・医療的ケア
- ・総合問題
合格発表
毎年、実技試験終了後の3月に発表されます。
介護福祉士の資格取得する際のポイント
介護福祉士になるためには、国家資格の取得が必須です。事前に資格取得のポイントを確認し、早めに必要な準備ができるように意識するとよいでしょう。
以下では、介護福祉士の資格取得する際のポイントを解説します。
国家資格を取得するための各ルートをよく調べておく
介護福祉士になる際には、上記で紹介した3つのルートがあります。
どのルートでも国家資格を取得できますが、それぞれ過程が大きく変わります。
そのため事前に各ルートの詳細をよく把握し、自分に合った方法を考えておくのがポイントです。
実務経験を積む方法が自分に合っている人もいれば、学校に通って本格的な環境で学ぶことが得意な人もいるでしょう。
その人の特性によって最適なルートが変わる可能性があるため、まずは自分なりにどの方法が合っているのか考えてみるのが重要です。
資格取得をゴールにしない
介護福祉士の資格取得を、ゴールに設定しないのもポイントです。資格取得は、あくまで就職するための手段に過ぎません。国家資格を取得してから何をするのか、どんな介護福祉士としてキャリアアップしていけるかが重要となります。
そのため資格取得を通過点の1つとして捉えて、積極的な学習を行うのがポイントです。
関連資格の取得も同時に検討する
介護福祉士の国家資格を取得する際には、多くの知識・技術を学ぶことになります。
その学んだスキルをほかの資格取得にも活かせれば、より高い能力のある人材として働き始められます。
例えば以下の資格は、介護福祉士に関係するものとして取得が推奨されます。
福祉住環境コーディネーターと介護事務管理士に関しては、専門学校などの在学中から取得を目指せるため、試験に挑戦するのもおすすめです。
資格試験に合格できれば自信がつき、国家試験の受験時にもよい影響が出るでしょう。
最短で介護福祉士になるには専門学校がおすすめ
ここまで、介護福祉士になるためのさまざまなルートを紹介してきましたが、最短で介護福祉士になりたい場合は、いわゆる「養成施設ルート」で専門学校に通うのがおすすめです。
高等学校を卒業した方、あるいは高等学校卒業程度認定試験などに合格している方が専門学校で学べば、最短2年で介護福祉士になれます。
読売理工医療福祉専門学校では、介護福祉士の育成・確保のために東京都が最大164万円の修学資金を貸付ける「介護福祉士修学資金貸付制度」も利用できます。卒業後、東京都内の福祉施設に介護職として就職し、5年間従事することにより返還が全額免除されます。
専門学校では、2年間を通して介護の知識やスキルを体系的に身に付けられるため、就職後に自信を持って仕事に臨めるでしょう。施設実習も多く、自分に合った就業先が見つけやすいのも大きなメリットです。
介護福祉士の国家資格取得に関するポイント
介護福祉士の国家資格を取得する際には、いくつか把握しておくべきポイントがあります。
以下では、介護福祉士の国家資格取得に関する重要なポイントについて解説します。
介護福祉士の働き方をイメージする
介護福祉士の国家資格を取得する際には、実際に就職してからの働き方をイメージするのが重要です。
仕事内容や具体的な1日の流れを確認したり、やりがいを把握したりしておくことで、介護福祉士として働く際に必要なスキル・考え方などを事前に身につけられます。
学習モチベーションを維持する方法を考える
介護福祉士の国家資格を取得するには、何よりも学習モチベーションが重要です。
学習に対するモチベーションを継続できれば、少しずつでも国家資格に向けて合格率を高められます。常に高い学習意欲を保てるように、モチベーションをコントロールする術を身につけるのもポイントです。
国家資格の取得後も勉強の習慣はつけておく
介護福祉士の国家資格を取得したあとも、学習習慣を身につけておくのが重要です。介護福祉士になってからも、仕事をしながらさまざまなことを学ぶ機会があります。
そのため自発的に学習する習慣があると、スムーズに仕事で必要なスキルを習得できます。それは職場での評価を高め、待遇を良好なものとするきっかけにもなります。
学んだ知識・技術を実践で活かすことを想定する
介護福祉士の国家資格取得を目指す際には、さまざまな知識・技術を学べます。これらの知識・技術は試験で使うためのものではなく、実際に働く際にも役立つものです。
学習内容を試験後に忘れてしまうと、仕事に合わせて学び直す必要があります。
二度手間になるとモチベーションも下がるうえ、時間のロスも大きくなるでしょう。国家試験の学習は仕事で活かすことを想定し、スキルとして習得するのが重要です。
関連する資格の勉強なども視野に入れる
介護福祉士として働く際には、国家資格以外にもさまざまな資格が役立ちます。必須ではなくても実践で頼りにできる知識・技術を得るきっかけにはなるので、関連資格の取得を目標とすることも考えられます。
例えば「福祉住環境コーディネーター」「介護事務管理士」などの資格取得は、専門学校の在学中から目指せます。
そのほか、卒業後にも「ケアマネジャー」「認定専門介護福祉士」「福祉用具専門相談員」「介護予防運動指導員」「ケアクラーク」など、多数の資格取得が検討されます。
おすすめの国家資格試験への対策
介護福祉士の国家資格をスムーズに取得するには、具体的な対策について考えておくのもポイントです。試験対策方法が確立されていれば、効率よく合格に必要な能力を得られるでしょう。
以下では、介護福祉士の国家資格を取得するための試験対策を紹介します。
十分な勉強時間を確保しておく
介護福祉士の国家資格を取得するには、学習時間の確保が必要です。試験日に向けて準備ができるように、早期に計画を立てて実行に移すことが求められます。
学習時間が豊富にあっても、その中身が充実していないと、合格率を高めることにはつながりません。本格的な学習方法を導入し、効率的に能力を向上させていくことが重要です。
学校の勉強と合わせて独学での学習も進める
介護福祉士の国家資格を取得するには、学校での学習と独学による学習を並行して行うのもポイントです。
専門学校などに通うことで、充実した学習が可能です。そこに予習・復習といった独学を加えることで、学習効率を高められます。
独学で学ぶ習慣は将来の学習にもつながるため、在学中から積極的に実践するとよいでしょう。
専門学校などの学習環境を最大限利用する
介護福祉士を目指すのなら、専門学校などの学習環境を最大限に利用するのも試験対策になります。
専門学校では介護福祉士になるためのカリキュラムはもちろん、試験対策講座や実習施設など、さまざまな環境が整っています。
これらの学習環境を使いこなすことで、試験対策を効率よく進められます。
適度なストレス発散・リラックスも重要
介護福祉士の国家試験を受験するための勉強を続けていると、疲労などによって心身に負担が溜まることもあります。
放置していると体調を崩したり、メンタルが不安定になったりする可能性もあります。
そのため国家資格取得を目指すのなら、ときにストレス発散や精神をリラックスさせるのも重要な行動となります。
まとめ
介護福祉士は、介護が必要な方がスムーズに生活できるようにサポートする仕事であり、おもに介護施設で働きます。
介護福祉士は国家資格のため、国家試験に合格しなければ名乗ることができません。国家試験を受けるには、「実務経験ルート」「養成施設ルート」「福祉系高等学校ルート」の3つのルートがあるので、自身の現状や希望に合わせてルートを選ぶとよいでしょう。
できるだけ早く介護福祉士になりたいなら、最短2年で国家試験の受験資格が得られる「養成施設ルート」で専門学校に通うのがおすすめです。介護福祉士になりたいと考えている方は、「養成施設ルート」もぜひ検討してみてください。