一級建築士と二級建築士の違い
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- 建築士の仕事とは
- 一級建築士と二級建築士の違い
- 一級建築士の資格取得方法
- 二級建築士の資格取得方法
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建築士といえば建築物の設計を行ったりする仕事ですが、設計以外にも法令の元に手続きの代理をしたり工事監理をしたりと多くの仕事があります。ここでは建築士の主な仕事内容と、資格の種類による違いや資格取得方法などについてご紹介します。
建築士の仕事とは
建築士の仕事内容は、主に2つあります。
1つ目は建築物の設計を行い、設計図面を作成する仕事。単に設計と言っても、好きなように図面を描けるわけではありません。依頼主の要望を取り込み、建物の強度を計算したり、法令を確認するなど、さまざまな要素を考慮しながら設計を行う必要があります。
2つ目は、工事が設計図書どおりに施工されているか監理し、チェックする役割です。かつては大工などの職人が設計から監理、建築までを一手に担うこともありましたが、建物の規模が大きくなり、構造も複雑化する中で、専門の建築監理者の重要性が高まってきています。昭和25年に建築士法のもとで国家資格として建築士が定められ、専門的な知識の習得を証明することで、依頼主にとっても安心できる建物作りが実現できるようになっていきました。
一級建築士と二級建築士の違い
建築士には「一級建築士」「二級建築士」「木造建築士」と種類があり、設計できる建築物の種類や大きさが異なります。二級建築士や木造建築士には、一級建築士にはないさまざまな制限があります。
二級建築士は、木造建築物(高さが13m又は軒の高さが9mを超えないもの)や鉄筋コンクリート(延べ面積が30㎡~300㎡、高さが13mもしくは軒の高さが9mを超えないもの)の一般住宅を始めとする建築物の設計や監理を行うことができます。
一級建築士は扱える建築資材も多くなり、二級建築士よりも大型の公共施設(学校、劇場、病院、映画館、百貨店などの延べ面積が500㎡を超えるもの)も扱うことができます。
個人住宅向けの設計監理をしたいのならまず二級を目標に、大規模な建築物を扱いたい、建築士として独立を目指す場合には高度な知識や実務経験が必要になる一級を目指してみると良いでしょう。
一級建築士の資格取得方法
一級建築士試験の受験資格は、建築士法第14条において、建築に関する学歴又は資格等により定められています。
令和2年の試験から建築士法の一部改正により、受験資格等が変更になりました。
これまで受験する際の要件となっていた実務経験が、免許登録の際の要件に改められました。
これにより、一定の指定科目を修めて所定の学校を卒業した方は、卒業後すぐに受験が可能となります。※2020.5.18追記
試験は「学科試験」と「設計製図試験」の2つに別れ、それぞれ年に1回試験が行われます。最初にマークシート方式の学科試験を行い、学科試験に合格した人のみが後日行われる設計製図試験を受験することができます。設計製図試験は学科試験の数日前に課題が発表されますので、十分に対策を練ってから試験に挑みましょう。学科試験と設計製図試験の両方に合格すれば、一級建築士の資格を取得することができます。
仮に学科試験だけ合格して設計製図試験が不合格だった場合は、翌年及び翌々年の学科試験が免除され、設計製図試験のみを受験することが可能になります。
一級建築士の難易度はとても高く、学科試験の場合平成22年~平成25年のデータでは合格率はすべて20%を下回っています。
大学や専門学校を始めとする専門機関で建築知識をマスターし、建築事務所等に就きながら実務経験を積むことで挑戦できる資格ですので、まずは建築関係の仕事に就き実務を積むことが優先されるでしょう。
二級建築士の資格取得方法
二級建築士試験の受験資格は、建築士法第15条において、建築に関する学歴又は資格等により定められています。
また、建築に関する学歴がなくても、実務経験が7年以上あれば受験することが可能です。
二級建築士の試験も難易度が違いますが、一級の試験で出題される範囲も試験内容に組み込まれています。学科試験の合格率は、平成22年~平成25年の4年間すべて40%を下回っているので決してやさしいとは言えませんが、一級の試験よりは合格率は高くなっています。
建築物を扱う監理者としては最低限必要になる資格ですので、まずは二級を目指して取り組んでみるのが良いでしょう。
建築物や間取り、住宅設計に興味がある方はまず専門機関で建築の知識を学び、建築事務所に就職して実務経験を積みながら二級を、さらには一級を目標としてみてはいかがでしょうか。