電験三種取得者の年収は?年収アップの方法や資格取得のポイントも紹介
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- 電験三種取得者の年収は400~500 万円程度
- 電験三種取得者として働く4つのメリット
- 電験三種取得者が年収をアップさせる方法3選
- 電験三種取得を目指すうえで知っておきたいポイント
- 電験三種取得者の年収に関してよくある質問
- まとめ
電気工事にかかわる人材の不足により、近年電験三種取得者の需要が高まっていることで、電験三種取得者の平均年収が気になる方も多いのではないでしょうか。
電験三種取得者の年収は、一般的に400~500万円程度とされています。ただし、いくつかのポイントを押さえることで、さらに年収アップできる可能性があります。
本記事では、電験三種取得者の年収や働くメリット、年収アップの方法、資格取得に関するポイントなどを紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。
電験三種取得者の年収は400~500万円程度
求人条件によっても違いはありますが、電験三種取得者の年収は400~500万円程度とされています。ただし、個人の経験や能力に応じて、年収には差が生まれます。
国税庁の「令和3年分 民間給与実態統計調査」によると、1年を通じて勤務した給与所得者の平均給与は443万円です(※)。仮に、電験三種取得者の年収が500万円である場合は、平均給与よりも高い年収を受け取れることになります。
なお求人内容は、工場内の受変電設備の保全・点検業務や、太陽光発電所の保守管理業務など多様であるため、自身の興味のある現場で働ける可能性があります。
※参考:国税庁「令和3年分 民間給与実態統計調査」
電験三種取得者として働く4つのメリット
次に、電験三種取得者として働くメリットを紹介します。
資格手当を得られる
勤務先の企業によっては、電験三種取得者であることで資格手当を得られることがあります。支給の仕方には、手当が毎月付くケースや、1年で複数回に分けて支給されるケースなどさまざまです。例を挙げると、毎月支給される場合の資格手当額は、5,000円~1万5,000円程度とされています。
電験三種は、1回取得すれば資格更新が不要のため、制度がある限りは継続的に資格手当をもらうことが可能です。資格手当のある職場で働いて、少しでも年収をアップさせるためにも、求人へ応募する前にしっかりと確認することをおすすめします。
年齢・体力を問わず働きやすい
電気主任技術者の業務は、電気設備のメンテナンスや工事の監督が中心となるため、あまり体力が求められません。電気保安法人への所属など定年後の雇用ニーズも見込め、キャリアを活かして長く働けるでしょう。
加えて、電験三種は独占業務に規定されているので参入障壁が高く、将来的な需要を期待できることもポイントです。経済産業省の資料(※)によると、電験三種取得者の監督が必要な再生可能エネルギー設備は、2030年までに年間で約2,000件ずつ増加することが見込まれています。
電験三種取得者が将来的に不足する可能性があることも指摘されているため、これからの高需要が期待できるでしょう。
※参考:経済産業省「電気保安人材の現状分析と取組の方向性について」
AI技術などに代替されづらい
電気主任技術者が行なう電気設備の保安管理は、人命にも関わる重要な仕事であるため、AI技術などに代替されづらいメリットがあります。経済産業省の資料(※)によると、先進技術を取り込んだスマート保安の推進に向けて、火力発電所での設備パトロールを自動化するなどの取り組み例も報告されています。
電気保安業務はAIに代替されるのではなく、AIを補助的に活用する方向で発展することでしょう。AIの活用により、電気主任技術者の業務効率化が見込めるうえ、現場によっては作業の安全性も高まるため、より働きやすい職場環境になる可能性があります。
ワークライフバランスを保ちながら勤務できる
電験三種取得者が勤務する職場は、ワークライフバランスの取れた環境であることが考えられます。というのも、電気主任技術者は電気保安に関する重要な仕事を任されていて、長時間労働や残業過多になりづらいよう整備されているためです。
なかには勤務時間が一定の企業もあり、仕事とプライベートのメリハリを付けながら働けるので、特に育児との両立に悩みやすい女性も活躍できる職業だといえます。
電験三種取得者が年収をアップさせる方法3選
ここからは、電験三種取得者が年収をアップさせる方法を3つ紹介します。
電験一種・二種を取得する
電験三種の上位資格である電験一種もしくは電験二種を取得することで、資格手当が上乗せされるケースがあります。なぜなら、上位資格の取得者は業務として関われる電気工作物が電験三種取得者よりも増え、より貴重な人材となるためです。
区分 | 特徴 |
---|---|
第一種電気主任技術者 | すべての事業用電気工作物に関する主任技術者として働ける |
第二種電気主任技術者 | 電圧17万ボルト未満の事業用電気工作物に関する主任技術者として働ける |
第三種電気主任技術者 | 電圧5万ボルト未満の事業用電気工作物に関する主任技術者として働ける |
上位資格を取得することで、資格手当が増額されるだけでなく、働ける職場の選択肢が増えることも利点に挙げられます。求人次第では、大規模工場や鉄道会社の電気設備・受変電設備の管理、保守に携われる可能性があります。
好待遇の会社へ転職する
電験三種取得者は不足していることから需要が高く、工場や通信会社、商業施設などさまざまな施設で必要とされています。そのため、キャリアを着実に重ねることで、自身のスキルと知識を活かせる、さらに好待遇な会社へと転職しやすくなるでしょう。
また、経済産業省の資料によると、電気主任技術者が必要な施設と、実際の技術者数の需給ギャップを埋める動きが進んでいます。具体的には、効果的・効率的な保安を実現するために、以下を検討事例として挙げています。
・監督できる事業場数等の柔軟化
・必要な経験年数の柔軟化
・事業場等の点検頻度の見直し
・2時間以内で到達できる事業場等の柔軟化 など
このような動きがあり、電気主任技術者に対する待遇面のさらなる改善が期待できるでしょう。
独立して個人事業主になる
電験三種を取得後に実務経験を積み、経済産業大臣の認可を受けることで独立が可能です。必要な実務経験は、電験三種取得者が5年以上、電験二種取得者が4年以上、電験一種取得者が3年以上とされています。そして、電流計や絶縁抵抗計などの機械器具を所有していることも、独立するための条件の一つです。
認可を受けて個人事業主となったあとは、電気管理技術者協会に所属するとよいでしょう。一定の会費は必要ですが、協会会員から仕事を紹介してもらえたり、書類申請の代行を依頼できたりします。新しい技術や法律改正について、協会主催の講習会で学べるケースもあり、個人事業主として働くリスクを低減しやすくなるでしょう。
電験三種取得を目指すうえで知っておきたいポイント
ここでは、電験三種の取得を目指すうえで知っておきたいポイントを2つ解説します。
試験合格の難易度は高め
電験三種の例年の試験合格率は10%前後と低いことから、取得難易度は高いといえます。近年の試験合格率は、以下のとおりです。
試験年度 | 合格率 |
---|---|
2018年度 | 9.1% |
2019年度 | 9.3% |
2020年度 | 9.8% |
2021年度 | 11.5% |
2022年度上期 | 8.3% |
2022年度下期 | 15.7% |
合格率が低い理由の一つとして、試験科目が4つあり、全科目で合格基準以上の得点が必要であることが挙げられます。電験三種試験では「理論・電力・機械・法規」の4科目すべてで、基本的に100点満点中60点以上が合格基準とされています。
試験では計算問題が多く、実務知識が必要なものも出題されるため、問題の内容を理解していなければ回答できません。
また試験範囲が広く、必要な勉強時間は1,000時間程度とされていることから、その時間を確保するハードルも高めといえます。試験合格を目指すには、事前にスケジュールを組んだうえで学習を継続しなければなりません。
認定校卒業者は試験が免除される
読売理工医療福祉専門学校をはじめとした電気主任技術者認定校の卒業者は、電験三種の試験が免除されます。専門学校の場合は、卒業して2年の実務経験を積んだのちに、産業保安監督部へ免状の交付申請を行ない、審査に通過すれば資格取得が可能です。
また、認定校のカリキュラムでは、電気回路理論や電気数学といった座学のほか、電気工事実習など実務でも役立つ内容を体系的に学べます。
仮に、試験勉強に1,000時間を費やしても合格できなかった場合を考慮すると、最初から認定校へ入学して、将来的な資格取得を目指したほうが良いケースもあるでしょう。学費に関しても、独自の奨学金制度を設けている認定校があるため、専門学校に通う2年間の学費負担を抑えられます。
なお、専門学校を卒業後に実務経験を5年積めば、電験二種の試験も免除されるので、資格手当がアップするなどのメリットも期待できます。
電験三種取得者の年収に関してよくある質問
電験三種取得者の年収に関してよくある質問と、それに対する回答を紹介します。
電験三種を取得して年収1,000万円は目指せる?
キャリアアップによる年収増や独立などにより、電験三種取得者が年収1,000万円を目指すことは可能といえます。
また、年収1,000万円を年収として掲げている求人情報もありますが、一定のマネジメントスキルや実務経験が必須である点は留意しておきましょう。
電験三種取得者と電気工事士で年収が高いのはどちら?
一概にどちらの年収が高いとはいえませんが、水準としては同程度といえます。独立開業を目指す場合、電気工事士の資格も取得しておけば仕事の幅が広がり、収入増が見込めるでしょう。
まとめ
電験三種取得者の年収は400~500万円程度とされていますが、独立開業やキャリアアップによってさらなる高年収も目指せるでしょう。ただし、電験三種の合格率は10%前後と、試験の難易度は高めです。
認定校を卒業した場合、実務経験を積めば試験免除で電験三種を取得できるので、自身にはどちらの方法が良いかをしっかりと検討しましょう。
読売理工医療福祉専門学校電気電子学科で学べば、電気主任技術者はもちろん、電気工事士や電気工事施工管理技士などの資格取得も目指せます。毎年の就職率はほぼ100%で、卒業生は大手企業も含めた電気保安業務や電気工事業務に従事しています。
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