電験三種を取るには?取得方法別のメリット・デメリットや流れを解説
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- 電験三種を取るには2つの方法がある
- 電験三種の取得方法別のメリット・デメリット
- 電験三種の取得方法1.試験合格の流れ
- 電験三種の取得方法2.認定申請の流れ
- 電験三種の取得に向けて!実務経験になる業務とは
- まとめ
電験三種(第三種電気主任技術者)を取得するには、どのような方法があるのか知りたい方もいるのではないでしょうか。電験三種を取る方法は、試験に合格するか、認定校に通って実務経験を積んだのちに申請を行なうかの2つに大きく分かれます。
本記事では、電験三種の取得方法別の特徴やメリット・デメリットを紹介したうえで、取得の流れなどを解説するので、ぜひ参考にしてください。
電験三種を取るには2つの方法がある
まずは、電験三種を取得する2つの方法について確認していきましょう。
取得方法1.試験に合格する
電験三種は、「第三種電気主任技術者試験」の4科目すべてに合格すると、取得できる資格です。科目の内訳は、以下のようになっています。
科目名 | 科目の内容 |
---|---|
理論 | 電気理論、電子理論、電気計測及び電子計測 |
電力 | 発電所、蓄電所及び変電所の設計及び運転、送電線路及び配電線路(屋内配線を含む。)の設計及び運用並びに電気材料 |
機械 | 電気機器、パワーエレクトロニクス、電動機応用、照明、電熱、電気化学、電気加工、自動制御、メカトロニクス並びに電力システムに関する情報伝送及び処理 |
法規 | 電気法規(保安に関するものに限る。)及び電気施設管理 |
引用: 一般財団法人電気技術者試験センター「第三種電気主任技術者試験」
試験は上期と下期の年2回実施され、筆記方式と、パソコンを使って解答するCBT方式のどちらかを選択できます。
受験手数料は上期と下期それぞれに必要となり、インターネットからの申し込みでは7,700円、郵便による書面の申し込みでは8,100円となっています。
取得方法2.認定申請する
電験三種は、「電気主任技術者認定校」を卒業後に実務経験を積み、免状の交付申請をすることでも取得可能です。この方法では、指定の業務に一定期間携わって実務経験を積み、産業保安監督部へ必要書類を提出して審査に通過すれば、電験三種を取得できます。
試験を受ける場合と異なり、認定校で電気分野を体系的に学べるため、就職した際に役立つ実践的な知識・スキルを身に付けやすいことが特徴です。なお認定校には、大学や短期大学、専門学校、工業高校があります。
電験三種の取得方法別のメリット・デメリット
次に、電験三種の取得方法別にメリット・デメリットを見ていきましょう。
試験合格で取る場合
試験合格で電験三種を取るメリット・デメリットを、それぞれ紹介します。
試験合格の方法のメリットには、以下が挙げられます。
・実務経験なしで資格取得できる
・科目別合格による資格取得が目指せる
試験合格の場合は、認定校を卒業するケースと異なり、実務経験なしで資格を取得可能です。また、電験三種では科目別合格制度が導入されているため、合格した科目に限っては最大で連続5回まで、試験が免除された状態で受験できます。
試験合格の方法のデメリットには、以下が挙げられます。
・試験勉強に1,000時間程度がかかる
・試験合格の難易度が高い
電験三種に合格するには、一般的に1,000時間程度が必要とされています。そのため、綿密なスケジュールを組まなければ、試験勉強を継続するのは困難でしょう。
また、試験合格への難易度は高く、合格率は2022年度上期で8.3%、下期で15.7%という結果です。先述したように、電験三種には科目別合格制度がありますが、試験免除が有効となるのは最大5回とされています。規定回数以内に残りの科目にも合格しなければ、何度も試験を繰り返すことになるでしょう。
認定申請で取る場合
続いて、認定申請を利用して電験三種を取得するメリット・デメリットを紹介します。
認定申請を利用するメリットには、以下が挙げられます。
・試験免除で電験三種を取得できる
・認定校で電気に関して体系的に学べる
認定申請では、電験三種の試験を受けることなく資格取得が可能です。また認定校では、電気回路理論や電気工事実習など、電気に関して体系的に学べます。実務にも役立つ知識・スキルを身に付けられるのは、大きな利点といえるでしょう。
認定申請を利用するデメリットには、以下が挙げられます。
・資格取得まで一定の期間を要する
・認定校の学費が必要になる
認定申請の方法を選ぶと、認定校の履修期間と併せて実務経験の期間が必須となるため、資格取得まで一定の期間を要します。また、認定校に通うための学費が必要となる点も、認定申請のデメリットといえるでしょう。
しかし、認定校のなかでも専門学校を選択すれば在学期間が2年で済むため、4年制の大学より早く実務に携わることが可能です。さらに、大学より在学期間が短い分、学費を抑えやすくなります。
電験三種の取得方法1.試験合格の流れ
電験三種の取得方法として、試験合格による資格取得を目指す場合の流れを紹介します。
1.独学と通信講座のどちらかを選ぶ
電験三種の学習は、独学と通信講座の大きく2パターンに分かれます。独学は、すでに電気に関する基礎的な知識を有している方向けのため、通信講座を選ぶことが一般的です。
通信講座のなかには、講師から授業を受けている感覚で学べる動画教材などもあるので、自身に合うものを選ぶとよいでしょう。ただし、通信講座も通学して実際に講義を受けるわけではないため、試験本番まで継続的に学習できるようにモチベーションを維持することが大切です。
2.スケジュールに沿って学習する
先述のとおり、電験三種の学習には1,000時間程度が必要といわれています。そのため、日々のスケジュールに組み込み、着実に知識を付けていかなければなりません。
電験三種の科目を学習する順番は、「理論→機械→電力→法規」がおすすめです。理論を先に学んでおくことで、機械や電力の科目でも必要な基礎を習得できるようになります。
また、法規の出題パターンはある程度決まっているため、後半に学習することで知識の定着率アップを図れます。
3.試験を受ける
スケジュールに沿って学習したら、実際に試験を受けます。合格基準は、第三種電気主任技術者試験委員会により決められており、各科目60点以上で合格です。
試験では、四則演算や開平計算が行なえる電卓の使用は許可されていますが、関数電卓や印字機能、数式の記憶機能がある電卓は使用できません。
また、試験問題によっては開平計算をしなければならないため、電卓を用意する際は付属機能を事前に確認しておきましょう。
電験三種の取得方法2.認定申請の流れ
続いて、認定校を卒業して資格取得を目指す場合の流れを解説します。
1.認定校を卒業する
認定申請により資格取得を目指す場合は、電気事業法に規定に基づいた電気主任技術者認定校の卒業が必要です。認定校では電気電子理論をはじめ、電験三種の認定申請に必要な科目を学べます。
電力・機械・法規のうち、いずれかの科目で不足単位などがある場合は、該当科目のみ電験三種の試験に合格することで学歴要件を満たせます。ただし、電力と機械のどちらとも単位が不足していると試験を受けられず、認定申請ができない点に注意しましょう。
なお、認定校を卒業すると同時に、第二種電気工事士の学科試験が免除されます。そのため、技能試験を受けて合格して免状の交付申請を行なえば、第二種電気工事士の資格を取得できます。
2.実務経験を積む
次に、認定申請に必要な実務経験を積みます。実務経験として求められる年数は、認定校の種類に応じて以下のように異なります。
・大学卒業の場合:1年以上
・短期大学、専門学校を卒業の場合:2年以上
・工業高校を卒業の場合:3年以上
例えば、大学に入学して資格取得を目指す場合、在学期間4年と実務経験1年が必要となるため、認定申請まで通常5年はかかる計算です。そして、専門学校に入学した場合は、在学期間2年と実務経験2年がかかり、通常4年で電験三種を取得できます。
なお、専門学校の卒業者は実務経験を5年以上積むと、上位資格である電験二種の認定申請も可能です。電験二種を取得すれば、転職で有利になる、資格手当で年収がアップするといったメリットが見込めます。
3.産業保安監督部へ申請する
認定申請する際は、経済産業省の産業保安監督部へ必要書類を提出します。おもな必要書類は以下のとおりです。
・主任技術者免状交付申請書
・卒業証明書
・単位取得証明書
・実務経歴証明書
・免状送付用宛先用紙
・戸籍抄本または住民票
主任技術者免状交付申請書には、住所や氏名、合格年度などの記載と併せて、収入印紙6,600円分の貼り付けが必要です。
これらの書類を提出後、産業保安監督部の面接を受けて、審査に通れば電験三種を取得できます。面接の質問では、過去の実務経験や電験三種の試験問題に関して質問される可能性があるので、事前に予習しておきましょう。
電験三種の取得に向けて!実務経験になる業務とは
電験三種の認定申請の実務経験として認められるのは、電圧500V以上の電気工作物の工事・維持・運用に関する業務です。
具体例としては、配線工事や性能検査、保守管理に関する業務、あるいはこれら業務の指導監督などが該当します。その他、このような業務に直接関係し、現場に常駐もしくは定期的に出向く必要がある指導監督・検査業務や、工事計画に関する認可申請書などの作成業務も実務経験として認められます。
一方で、電圧100Vもしくは200Vで受電する一般電気工作物に関する業務や電気工作物に関する知識や技能を使わない業務などは、実務経験として認められないので注意しましょう。
まとめ
電験三種を取得するには、試験合格による方法と認定申請による方法のどちらかを選びます。試験合格の方法を選ぶ場合は、1,000時間程度の勉強時間が必要となるため、試験本番までの入念なスケジューリングが必要です。
一方の認定申請の方法であれば、試験が免除された状態で実務経験を積みながら資格取得を目指せます。
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